コロナとお酒の売上のハナシ
居酒屋で飲むビールはどうしてあんなに美味しいのか・・・。
1.世ではビールの売上が下がっているらしい。
夏が過ぎても未だに暑さは過ぎ去りず、仕事終わりに駅に向かって歩いているだけで汗ばんでしまう今日この頃。帰りがけのキンキンに冷えた一杯、をモチベーションにしている人もきっと多いことだろう。僕もその一人になっていたはずだった。
しかし今年はいままでとは明らかに様子が違う。新型コロナウイルスの影響でそれも気軽にできる世の中ではなくなってしまったからだ。(もちろん各店でさまざまな工夫で感染対策が行われている。が、今までと同じようにという意識にはなかなかなれない。)
日本の外食産業は緊急事態宣言以降かなり苦行を強いられている。
岡三証券の高田創氏によると、新型コロナに対する中小企業の財務上の耐久力の低い「コロナ7業種」で飲食サービス業が挙げられている。
そんな世の中で、ビール業界が現在どうなっているのかを見ていきたい。
2.ビールの売上変化をデータで確認してみる。
①アサヒ
主力商品:アサヒスーパードライ、クリアアサヒ
②キリン
主力商品:ザ・プレミアムモルツ、金麦
④サッポロ
主力商品:エビスビール、キリンラガー、麦とホップ
それぞれの会社について、酒類の売上利益の変化をまとめてみた。
(この数値はビールに限らずすべてのお酒を含んでいることに注意)
いずれの会社においてもこの半年での売上が減少しているのが読み取れる。
さらにビールの種別売上変化も見てみる。
ex:)キリン
キリンでは、"一番搾り"に代表されるビールや”淡麗”に代表される発泡酒の売り上げが減少しているのに対し、"のどごし"や"本麒麟"に代表される新ジャンル(第三のビール)やノンアルコールビールの売り上げが増加していることがわかる。
この傾向は他の会社でも変わらない。
サントリーも、ザ・プレミアムモルツの販売数量が前年度比69%と大幅に下がっていることに対して金麦〈糖質75%オフ〉やオールフリーのようなビールが伸びている。
この原因と考えられるのは、
新型コロナの影響による居酒屋→自宅への"飲み"の在り方のシフトだ。
キリンは決算説明資料で"外食と家飲みそれぞれに求められるものが鮮明に"と表現している。
つまり外食では非日常感で良いお酒であることが重視されるのに対して、家飲みではリーズナブルであることや健康志向であることが重視されるというニーズの変化が表れているということだ。
サントリーも、"コロナ禍において、お客様の健康志向の高まりがある"と述べている。
実際どうだろう。
確かに、居酒屋でビールを頼む感覚とスーパーのお酒コーナーでビールに手を伸ばす感覚は明らかに違うように思える。
どちらにしてもビールが美味しいことには変わりないけどね!
3.これからどうしていこうか。
家飲みの魅力は、自分のペースで自分の空間で飲めること。
このコロナ禍で"オンライン飲み会"が流行りだしてから更に家飲みの魅力が世間で見出されてきたように思う。
私自身もお酒が大好きで、よくオンライン飲み会をする。
しかし、オンラインを経験したからこそ"居酒屋で飲むことの魅力"を改めて思い知らされることも非常に多い。
以前と同じように、とはいかないかもしれないが
以前のように魅力的な"外飲み"の新しい形が生まれてまた直接"乾杯!"が皆で言えるような日が来ることを切に願ってやまないのでした・・・。
おわり